そういった気持ちのこもった宣誓を終えた前島は、抽選会後には安堵の表情を見せる。「すごく緊張しました。しっかり準備してきましたけど、この舞台に立つと全然違って足も震えました。一瞬セリフが飛びかけたんですけど、なんとか持ってこれました。肩の荷が下りたというか、いったん役目は果たせたので、ここからまたサッカーに集中していきたいと思います」と語った。文章は国語の先生に協力してもらいながら考えたのだという。

 いよいよ始まる決戦に向けて前島は意気込む。新人戦、関東大会、インターハイ予選と今季は県内三冠を手にしているが、「いろんな要因が重なったし、運もあったと思う。絶対王者という感じはないので、そういう意味でプレッシャーはないです。常にチャレンジャーという気持ちでこの大会に挑もうと思っています」とあくまで挑戦者として冬の全国を目指す。

 組み合わせが発表されても「どこが来ても正直一緒だと思っています。意識することはありますけど、自分たちはチャレンジャーなので、どこが来ても食らいつく気持ちで頑張っていきたい」と話し、「インハイで全国に出てシードで2回戦負けという悔しい想いをした。その悔しい想いをして、それを糧にできるのは埼玉県で武南だけ。だから、その気持ちはどこよりもある。それを体現できるように試合に挑むだけ」と力強く語った。

 なお今予選の開幕日は10月8日、決勝は11月14日に埼玉スタジアム2002で行われる予定。インターハイ予選覇者でシード校の武南は3回戦からの出場となる。

(文・写真=多田哲平)

▽第102回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第102回全国高校サッカー選手権埼玉予選