中央トーナメント進出を決めた大阪朝鮮高級学校(写真=会田健司)

 9月16日、第102回全国高校サッカー選手権大阪予選2次予選2回戦がJグリーン堺で行われ、大阪朝鮮高級学校摂津を破り中央トーナメント進出を決めた。

 大阪府リーグ1部所属の摂津に対し5バックで守備を固める大阪朝鮮は押し込まれる我慢の時間帯が続くも、前半を無失点で耐え抜くと、73分にカウンターで抜け出したFW李星琉がGKとの1対1を制し先制ゴール。その後も虎の子の1点を死守し1-0のまま逃げ切った。

 府リーグ4部チームが1部チームを破る大波乱となったが、試合後、安泰成(アン・テソン)監督は「(選手たちに)力はあるんですが4部でも勝てない試合が多くて、ケガ人も多く難しかったんですが、目標が"4回戦でシード校を倒そう!"とやってきたので、選手たちが本当によく頑張って走ってくれました」と試合を振り返り、選手たちに感謝した。

 さらに「摂津高校さんの方が力は上なので、そこはリスペクトしながら前半は守って後半に勝負をかけようとやっていました。前半はスタートで出た1年生が守備を頑張ってくれて、後半に攻撃的な3年生を2人『勝負を決めて来い!』と投入しました」と、前半は耐えて後半に仕留める狙い通りの展開だったとコメント。

 選手権では全国大会に3度の出場を果たしている大阪朝鮮。現役時代の安監督も主将として85回大会では全国ベスト8入りを成し遂げた。しかし、近年では部員数も減少。この試合もベンチには1年生3人を含む6人と9人の定員の内3つの枠を余らせる形となっていた。

 安監督は「最近は15人前後で活動しています。相手は130人部員がいる中でよく頑張ってくれました。先輩たちが去年、一昨年とこの4回戦で負けていたので、その雪辱を果たすことが出来ました。人数が少ない中でも先輩たちが守ってきてくれて、そのおかげで今こういう経験が出来ているので、それを越えていこうという事でやってきました」と話す。

 これで2次予選を突破した大阪朝鮮は中央トーナメント1回戦で大阪偕星学園と対戦する事が決まった。指揮官は「ここから一ヶ月あるので、楽しみながらこの一ヶ月を過ごしたいと思います。選手たちにとってはここからは初めて選手権で残って過ごす期間になるので、サッカーを楽しみながら成長したいと思います」と次戦に向けて意気込みを語った。

 (文・写真=会田健司)

▽第102回全国高校サッカー選手権大阪予選
第102回全国高校サッカー選手権大阪予選