洛南の永楽剛史監督(写真=会田健司)

 10月1日、第102回全国高校サッカー選手権京都予選の2回戦が行われ、亀岡会場の第2試合で朱雀と対戦した洛南は1-0で勝利し3回戦に駒を進めた。

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 ベスト4を目指す選手たちの初戦の戦いぶりに、試合後の指揮官からは「相手が身体を張ってくる中で焦りもありますし、中々上手くいかないですね。負け試合です」と厳しい言葉が並んだ。

 5-4-1で守備を固めた朱雀に対し、洛南は両SBも高い位置を取り押し込む。しかしシュートがクロスバーやポストに跳ね返されるなど、ゴールをこじ開けられないまま後半へ。そして63分、左サイドを崩し、MF向田旺裕が深い位置から折り返すと、ファーサイドに流れたところからMF板倉涼が右足で強烈なシュートを放ち、これがゴール左上に突き刺さった。守備を固められながらもゴールをこじ開けた洛南がそのまま1-0で勝利し初戦を突破。7日に行われる3回戦で京都朝鮮と対戦することが決まった。

 「リーグではうちが引かないといけない試合が多いので」と守備を固めてくる相手との試合に慣れていないのもあり、ゴールをこじ開けるのに苦労したと語ったのはチームを率いる永楽剛史監督。

 「個々の力はあると思うんですが、ケガ人だったりインフルエンザだったりもあって」と、京都屈指の進学校という事もあり、25人(3年生6人、2年生7人、1年生12人)と元々少人数のチームの中、万全の状態で選手権を迎えたとは言えない状況のようだが、「リーグ戦で中々上手くいってないので、成功体験をさせてあげたい。そういう意味では(勝ったことで)繋がったのは良かったです」と話し、負ければ即敗退のトーナメントで生き残った事には安堵。

 それでも「点を取った選手(板倉)は普段レギュラーではないんですけど、努力して一生懸命やってきた子なので、そういう子がああやって結果を残してくれた。ひた向きな取り組みが結果に繋がったのかなと思います」と、そういう状況でチャンスを掴んだ板倉のゴールについては永楽監督も表情を緩めた。

 「自分たちで考える力を付けていってもらいたいと思っていて、プロに行くような子は出てこないかもしれないですが、出た問題は試合中でも自分たちで話して解決できるようになって、社会に出た時にそれが力となって役立ってくれれば」と3年間と短い高校生活の中で、選手たちに成長して巣立ってほしいと願う永楽監督。

 昨年はこの選手権予選でベスト8に進出し、準々決勝で京都橘に惜敗。選手たちは今年はその先輩たちを越えるベスト4を目指している。その目標まではあと3勝。洛南イレブンの挑戦は始まったばかりだ。

(文・写真=会田健司)