「(ディフェンスラインの)背後への飛び出しは常に意識しています。そのなかで、チャンスがきたという感じでした」(片野)

 戦う姿勢を貫く習志野に66分にゴールを許し、1点差に詰め寄られたこともあって、日体大柏の“10番”による2点目がチームを勝利に導く貴重な決勝点となった。

 左サイドを主戦場とする片野の持ち味は緩急自在のドリブルと質の高いシュート、そして鋭いパスだ。サイドを深くえぐったり、カットインからシュートしたり、逆サイドへ矢を射るようなパスを展開したり、そのパフォーマンスはまさに“10番”に相応しく、相手にとって非常に厄介な存在となっている。

 「昨年、10番を着けていた(古谷)柊介君から“次はおまえが着けろ。頼むぞ”といってもらいました。重い背番号なので、プレッシャーはありますけど、結果を出すことで、10番の責任を果たしていきたいと思っています」(片野)

 県予選の決勝トーナメントに入ってから2試合で4得点。攻撃陣をけん引する日体大柏のキーマンにほかならない。

 「目標は昨年に続き、選手権に出場すること。そして、本大会では昨年の結果(ベスト8)を越えていくことです」(片野)

 高校2年生で臨んだ昨年の選手権本大会では、4試合すべてに途中出場し、1ゴールを記録した。さらなる高みへ――。日体大柏の“10番”は、その思いの丈をぶつけていく。

 (文・写真=小室功)

▽第102回全国高校サッカー選手権千葉予選
第102回全国高校サッカー選手権千葉予選