早稲田実業の森泉監督(写真=矢島公彦)
ふたりの優勝監督が相通じる勝因を口にしたのは、単なる偶然ではないだろう。
第102回全国高校サッカー選手権東京予選の2次予選、Aブロックは早稲田実業が、Bブロックは堀越が制した。決勝戦、前者はインターハイ東京予選覇者の國學院久我山を2-0で下し、後者は関東大会王者の修徳と1-1、延長戦は0-0、PK戦で3-2と勝利。どちらも高い実力を誇る相手に粘り勝ちしたのが印象深い。
実際、早稲田実業の森泉武信監督が「圧倒的に技量も戦術も長けている」と國學院久我山を絶賛すれば、堀越の佐藤実監督も「選手のポテンシャルは東京のなかで今年一番高い」と修徳を評する。偽らざる本音なのは、パフォーマンスを見れば明白だった。
國學院久我山は個々のテクニックと組織的なパスサッカーは群を抜いて洗練されていた。特に脳裏に焼き付いているのが東海大高輪台との3回戦。強雨でピッチに水が溜まりボールが転がりにくくなった一戦で立ち上がりに失点と苦しんだが、雨が弱くなった途端に流麗にパスを回す。そして55分にはあまりにも鮮やかな崩しから同点弾を奪い、終わってみれば3-2で勝利。悪天候を跳ねのけた逆転劇は、確かな実力を示していた。
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▽第102回全国高校サッカー選手権東京予選
第102回全国高校サッカー選手権東京予選