予想通り、ゲームはスペインのパス回しに翻弄され、ボールを追う展開に。開始8分で先制を許し、その後もプレッシャーが掛からずに体力を消耗した。それでも巻き返し、前半30分以降は日本のベースに。この流れに乗ると、41分だった。右サイドからMF佐藤龍之介(FC東京)が折り返すと、名和田が反応。相手を外し、僅かなシュートコースを確実に狙ってネットを揺らした。その瞬間、感情が爆発。解き放たれたような笑顔で仲間と喜びを分かち合った。

 しかし――。その後は沈黙。後半途中から出場した高岡も持ち味を出せず、勝負どころで結果を示せなかった。日本は1-2で敗退。ファイナリストという目標は果たせず、帰国の途についた。

 神村学園高の名和田我空と日章学園高の高岡怜颯。同郷の2人が初めて挑んだ国際舞台は今までにない楽しさがあった一方で、今までにない悔しさも味わった。

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