帝京イレブン

 こう着状態が続いていた22分だった。ボランチの大屋雅治(2年)から中央やや左でパスを預かった宮本が森田に縦パスを入れたが、これがこぼれ球となって再び宮本の足元に転がってきた。前にいたDFをキックフェイントでかわすと同時にGKが捕球態勢に入るタイミングも外し、ゴール右に完ぺきな決勝点を蹴り込んだ。

 「0-0だったので、絶対に点を取ってやろうと思ってピッチに入りました。もう少し右に打ちたかったんですが、キーパーの横を抜けたので良かった。優勝を決める得点なのですごくうれしい」

 ヒーローは淡々とした口調で喜びをかみ締めた。

 今年度の第102回全国高校選手権東京A予選は準決勝で敗退したが、宮本は初戦の3回戦から準決勝までの3試合にいずれも途中出場。3-0で快勝した3回戦の東農大一戦ではゴールも決めている。「自分は森田さんの控えで途中から出て流れを変える役目を担っている。國學院久我山に負けた準決勝も得点する気持ちでしたが、(会場の)西が丘の雰囲気にすごく緊張してしまった。来年こそリベンジしたい」と精神面での成長を誓った。

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▽横山杯第24回全国ユース招待サッカー大会
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