延長戦というシナリオは十分にあった。かなりひりつく試合だった。

 4失点したものの、5得点をあげた昌平。目を引くのは決定力の良さ。前後半のシュート数は11本。いくつか決定機があったことを踏まえると、作ったチャンスを確実に決めた印象が強い。

 その要因について、1ゴール3アシストのMF6甲斐田裕大(2年)は「みんなが関わって細かいパスでつないでいけたのがよかった。全員で崩しきって、決めて当たり前くらいの状況を作れたからです」と語った。

 このことを示すように鈴木コーチによれば、攻撃は選手の発想を重視しているとのこと。つまり互いのプレースタイル、特長を理解しあったうえでよい連携ができ、決定力の高さにつながったといえる。

 勝ったとはいえ、昌平にとって、4失点はやはり気になる。結果を受け、鈴木コーチは「大舞台に立ったとき、もっと緊張であがってしまう。きょうは新人戦。しかも自分たちのホームだったから、きょうの結果だったかもしれない。だから同じことが起きないようにきょうの経験をいかしてほしい」と選手に伝え、準決勝の西武台戦に生かす。

(文・写真=佐藤亮太)

 

▽令和5年度埼玉新人戦(新人選手権大会)
令和5年度埼玉新人戦(新人選手権大会)