明秀日立MF10竹花龍生(3年)(写真=会田健司)

 そしてスコアレスのまま後半が始まり、これから終盤を迎えるという52分、背番号10に声が掛かった。

 「(東洋大牛久がパスを)回してきたり、サイドから内に入ってくると想定していたんですが、思ったより蹴って来ていた。上手いなと思って見ていました」と自分たちを研究し戦ってきた相手との戦況を、ケガの影響もあり、前半をベンチから見守っていた竹花。

 「去年も途中から出て活躍出来ていた」と昨年のイメージを持ちながらピッチに入った竹花は、前線から中盤まで広いエリアに顔を出し、ボールを引き出した。それにより、それまでは前線に蹴ってしまっていた場面でも一度竹花が収めることで、周りもポジションを上げることが出来るようになった。

 そして竹花が潤滑油になった明秀日立は60分に先制点を奪取。しかし「自分が出てから点も入ったので、勝てるかなと思ったら」東洋大牛久も意地を見せ、72分に同点に追いつかれてしまう。さらに延長後半には逆転ゴールも許し、追い込まれた明秀日立。

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▽令和6年度関東高校サッカー大会茨城予選
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