MF14植本愛実(写真=西山和広)

 6月2日、令和6年度全国高校女子サッカーインターハイ(総体)静岡県予選の決勝が行われ藤枝順心が常葉橘に1-0で勝利し12年連続の優勝を決めた。

 その瞬間、声援を送る藤枝順心スタンドの前に歓喜の花が咲いた。その中心で満面の笑みを浮かべるのは、MF14植本愛実。ダブルキャプテンの一翼を担う植本は、この日、予選で初めてピッチに立つと今年から任されたボランチのポジションで躍動し、後半からはキッカーも務めた。

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 「直接入ったらいいな」と触れればゴールインするギリギリを狙い、左足を振り抜くとボールは吸い込まれるようにゴールの中へ消えた。「自分がもっとやらないと勝てない」と昨年にはなかった重圧の中で「辛抱強くやろう」(中村翔監督)の言葉を信じもぎ取った勝利に「本当に良かった」とホッとした笑顔を覗かせる。それでも次の瞬間には「先輩が抜けた穴を埋めないといけないし、去年よりも強固なチームにする。それはまだまだだと思います。課題を修正して、高いレベルで臨みたい」そして「どこも成し遂げていない選手権での3連覇。インハイも2連覇がかかっています。去年はオンリーワンだけど、今年はスペシャルワン。中村先生からも言われている『今年はスペシャルなチームになろう』それをめざしたいです」と決意を新たにした。

 元々特別なオンリーワンを超えるスペシャルワン。自身の左足で一歩その目標に近づいた。植本はキャプテンとして先頭に立ち、まずは東海大会での勝利をめざす

(文・写真=西山和広)