すると終了間際の70分、右サイドからのCKを「入ったらいいな」と思いを込めてMF14植本愛実が蹴ったボールがファーサイドのネットを揺らしゴールをこじ開けると、これが決勝点となり、藤枝順心が苦しんだ70分のゲームに終止符を打った。

 試合後、藤枝順心・中村翔監督は、「去年、(のチームが)インターハイ、選手権と優勝したということもあって、精神的に緊張した様子が感じられた。(その中でも)最後まで集中を切らさずにやることができたので接戦をものにすることができまました。前半で最初2点くらい取ろうと話はしていましたが、相手も橘ということもあってそんなに簡単にはいかなかった。もう少しサイドチェンジを使って、低い速いボールを入れたかった」と予想以上に難しい試合となったことを口にした。また決勝点にシーンについては「選手たちが試合の流れの中でうまく判断してあの形を作った。それが最後によく実ったと思います」と選手たちが試合の中で成長を見せたことを喜んだ。また決勝点を決めたキャプテンの植本は「ホッとしました。苦しい時間が多かったですが、最後コーナーが大事と思っていて、それを決め切れることができて良かったです」と笑顔を見せた。

 劇的な勝利で静岡チャンピオンとなり全国大会への2枠を争う東海大会へ進出を決めた藤枝順心。「今日の20人だけでなく、まだまだ面白い選手たちがいますので、気を抜かずに、2週間ぐらいですがしっかりと準備していきたいです」(中村監督)と締め括った。

(文・写真=西山和広)