悔しい敗戦となったが、それでも"選手に経験を積ませる"という川口監督のこの大会への姿勢は最後までブレなかった。日章学園戦で好パフォーマンスを披露したDF5野田裕人はコンディションを優先させ、劣勢の中でも宣言通りに最後まで出場させなかった。この大会で勝つことだけを優先させず、FP全員を出場させながら勝ち上がり、多くの選手に経験を積ませた。

 「3つ勝てたことで今日準々決勝で神村学園という素晴らしいチームとやれて、(選手たちも)色々気付きがあったと思う。やっぱり経験ですよね。こういう試合が何試合できるかっていう。今回4試合経験を積めたので、今後の自分たちにとっての良い課題を貰った。これが成長に繋がると思います」

 1.2回戦では追い込まれても攻め続けて勝ち切るメンタリティを手にした。3回戦では自分たちのスタイルや強みを再確認。そして準々決勝では強度や走力などの課題が鮮明になった。

 「まずリーグ戦、まだ自分たちは残留争いしてるので、しっかり自分たちの課題を改善しながら、まずプレミアで残留する事を目標にやって行きたいと思います」(川口監督)

 静岡学園はこの夏の経験を成長に変えて、プレミア残留を掴み取る。

 (文・写真=会田健司)

▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)