昌平玉田圭司監督

 「前半の出来を見たら分かると思うんですけど、負けを覚悟しましたよね」と玉田監督が振り返ったように、前半の内容と、35分という残り時間を考えると指揮官がそう感じたのも頷ける。

 それでも山口と長を頭から投入し反撃に出た昌平は、44分にFW鄭志錫(3年)のヘディングシュートで1点差に詰め寄ると、69分にはDF中松陽太が頭で合わせ、土壇場で同点に追いつた。そしてその後のPK戦を4-2で制し、準々決勝を突破した。

 「一言で言ったら隙があったんだろうし、自分たちは普通にやったら勝てるだろうと、選手たちに聞いたら、たぶん無いと言うだろうけど、それはあったんだと思う。後半を見れば、自分たちが圧倒できるわけで。点を取る力もあるわけで。それを何で最初からできないんだと言うことを(選手たちには)言わせてもらった」

 どこかに油断や慢心があったんじゃないかと、選手たちに問いかけたという玉田監督。それでも逆境に追い込まれてからの後半の選手たちの戦いぶりは凄まじく、桐光学園のDF4青谷舜(3年)には「10(山口)と11(長)が入って来てチームがガラッと変わった。本当に相手の良さが全部出てきて、本当に上手かった」と言わしめた。

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▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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