―――やはり選手権とか一発勝負とか、そういう特別なプレッシャーとかもありましたか?

 インターハイからだいぶ間が空いていますし、リーグ戦とは(戦い方が)もう全然違うんで。どこの監督さんも多分そうだと思いますけど、やっぱり子どもたちがやるしかないですし。 僕も今日は我慢しなきゃとはわかってましたけど、でもやっぱり興奮しちゃいましたね。どっしり構えていられれば良かったんですけど。どこだって多分苦しいはずなんで、楽に勝つということは多分ないと思います。

―――近年は戦力が分散していて、強豪校や伝統校と言われる学校でも一発勝負の選手権やインターハイでは苦しんでいるような気がします。特に今年は東京だけでなく、他県も同じような気がするのですが。

 やっぱり高校サッカーって、まず、人間がやるスポーツで、さらに学生がやってるんで、ほんとにピーキングが難しいです。良い状態に当たっちゃえばギュンと、どこのチームも上に行っちゃうと思うんですけど、 良い状態でいかないとやっぱりほんと出しきれないし、自分たちが上手くいってないっていうことが自分たちの足をまた引っ張っちゃうんで。

―――群雄割拠の昨今の高校サッカー界に於いて3年ぶりの全国をめざしている訳ですが、今後の目標はいかがですか?

 いや、もう(先は考えて)ないです。それは全然。(3回戦の相手)成城(学園)も今日見てたら攻守両方ともしっかりしてて、2得点なんてかなり綺麗に崩してたんで上手いなって思って見てました。ディフェンスもあれだけ長いボール、ロングスローとか入れられても、全部しっかりと競ってたんで確実に鍛えられてるチームだと思うので、それを1個ずつ凌いでいくしかないですね。

―――小野監督、ありがとうございました。

 トーナメントを勝ち上がっていく上では一度や二度の苦戦は必ずついて回る。関東第一にとっては今回の都立南葛飾との戦いは正にそれに当たるのだろう。果たして今回苦しんだ経験を活かせるのか、次の成城学園戦でその真価が問われる。

(文・写真=西山和広)

▽第103回全国高校サッカー選手権東京予選
第103回全国高校サッカー選手権東京予選