昌平イレブン
前半9分、長の左からのパスを預かった左SB安藤愛斗(2年)が、豪快な一撃でネットを揺らし先制。早々に主導権を握り、このまま押し切るかと思われた。それほど昌平の攻撃陣は才能豊かなのだ。
ところが前半16分と22分、いずれも右CKのボールを遠いポストからヘッドで折り返されて連続失点。さらに25分、ショートカウンターから自陣左サイドを崩されて3点目を失ってしまう。
ぼう然状態だという玉田圭司監督は「セットプレーを最も警戒し、練習でも自覚を持って取り組んでいたのですが……」と悔しがり、大谷も「試合前からセットプレーにも気を付けていたが、そこから2点取られて相手に勢いを与えペースを持っていかれた」と残念がった。
後半7分、鄭が大谷のスルーパスを右で預かってゴール左隅に決めて1点差としたが、24分に許した4点目が致命傷となる。後半のアディショナルタイムは7分もあり、その5分に大谷が鄭のシュートのこぼれ球に反応し、鋭い弾道の一撃を突き刺したものの時すでに遅し。
タイムアップの笛が鳴ると、白色のユニホームの多くがピッチに倒れ込む。Jリーグ清水エスパルスへの加入が内定しているGK佐々木智太郎(3年)は、泣きながらドレッシングルームへ引き揚げ、応援団へのあいさつを終えた大谷はずっとうつむいたままだった。
「心のどこかに勝てるだろう、という気持ちがあったと思う。個々の力ではうちが勝っていたが、チームとしての一体感では聖望のほうが上だった。決定力不足もあるが、相手は点を取らせないという気持ちが際立っていた。僕らも勝ちたい気持ちは強かったけど、そこでも相手のほうが上だったと思う。夏に続いて優勝カップを掲げたかったが、それができなかったのは自分の責任」
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▽第103回全国高校サッカー選手権埼玉予選
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