すると「『絶対に勝つ』というコンセプトではやっていません」とキッパリ否定された。
その真意は何か。川口監督は続けた。「特長を伸ばして、ピッチ上で表現する。そして静学スタイルを表現してレベルアップしていく。相手を分析して、自分たちのスタイルを捨てて挑むチームではないので、プレッシャーと思ったことはありません」。さらに強調する。「良さを出す、特長を伸ばすのが一番。そのなか、ピッチ上で表現できて勝てれば最高です。指導者側が勝つことを押し付けると選手の個性が育ちません。負けたら仕方ありません。個の力が足りない。ピッチ上で表現できなかったということなので」。
勝敗のみを結論としない。個の特長を伸ばし、その特性をピッチで出す。ここが肝。
このスタンスに共感して静学の門を叩いた、ひとりが清水桜が丘戦で2得点をあげたMF24篠塚伶音(2年)。MF24篠塚はジェフ千葉U-15出身。本人によればジェフ千葉U-18への昇格が決まっていたが、静岡学園の映像を見て、ある決意に至った。
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▽第103回全国高校サッカー選手権予選
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