「まず自分が裏抜けして、それを鈴木琉斗がよく見てくれていました。それでカットインした時に相手の足が届きそうになかったので、そのままシュートを打ちました」
土壇場で同点に追いついた山梨学院。ベンチも応援席も一気に盛り上がる。だが、残された時間は僅か。誰もが延長戦突入を疑わない中、冷静さを取り戻したイレブンは一気に仕留めに掛かる。88分、左サイドからDF5小柳堅也が逆サイドに展開すると、これをDF4西澤隼斗が競り合いから折り返したボールがゴール前に溢れる。すぐさま反応した関塚が冷静にこのボールを押し込み、遂に試合をひっくり返した。
「誰かの折り返しが自分のところに溢れてきて、それを決めるだけでした」
無我夢中で誰の折り返しかもわからない状況だったが、ストライカーはしっかりと口を開けたゴールとそこに至るまでのプロセスは決して見逃さなかった。
「ボールがここに溢れそうだなっていうところへの予測とか反応が良い選手。誰よりも次の展開を予測してる」(岩永将監督)
指揮官も認める関塚らしさが発揮された見事な2発だった。
▽第103回全国高校サッカー選手権山梨予選
第103回全国高校サッカー選手権山梨予選