そうしたお別れの場としての意味合いとは少しニュアンスが違ったのは浦和ユースだ。チームの指揮を執る平川忠亮監督は現役時代をチーム一筋で過ごしたバンディエラ。引退後の2019年からユースのコーチを務め、この春から監督に就任した。
指導者としてのキャリアを積み重ねてきても立場が変われば、選手へのアプローチも変わる。「この1年間で得たものは多すぎますね。監督ってこんなに大変なんだって。子どもたちではあるけど1人の人間でもある。試合に出られなければ不満が出る。そうした色んなマネジメントもそうだし、選手たちを成長させていく指導力もそう。今は指導する際の言葉遣いも難しい世の中で、どういう言葉遣いをすれば選手を引っ張り、熱くさせるのか。色んな勉強ができたというか、教えてもらった感じがします」。
プレミア昇格を喜ぶ浦和レッドダイヤモンズユースの選手たち
平川監督は来季からFC琉球の指揮官に就任することが決まっており、今大会は浦和ユースの監督として挑む最後の大会だが、惜別の雰囲気はチームになかった。「みんな内心ではひらさんを笑顔で送り出したいと思っていたし、絶対に勝ちたい気持ちもあった。でも、自分たちはまず目の前の1試合に集中して勝つだけだと思っていたので、あまりひらさんのラストマッチだという声掛けはしなかった」。
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