今回の帝京に必ずセットで登場する言葉が「15年ぶりの出場」。通算35回目の出場。うち6回の全国制覇。言わずと知れた強豪校。多くのプロを輩出し、Jリーグの黎明期を盛り上げるとともに時は流れ、いまでは指導者として日本サッカーを支えている。取材先で帝京OBに会うと久しぶりの出場をことのほか喜んでいた。こうしたOBだけでなく、長年の高校サッカーファンの期待は高く、SNSを通じ、その反応の大きさを選手たちは体感したはずだ。
しかし、その期待が過度なプレッシャーになっていないことが頼もしい。
「全国大会に連続出場している帝京にとらわれすぎず、新しい帝京を作れるメリットが僕らにはあります」(GK大川)
「15年ぶりの出場と注目されるなか、その注目を結果で示したいです。勝ち上がっていく気持ちで試合をしているので、変なプレッシャーにはなっていません」(MF細江真広)
現在在籍する選手でかつての帝京の強さを体感した選手はもちろんいない。だからといって過去は過去。いまはいまと分断しているわけでもない。
▽第103回全国高校サッカー選手権大会
第103回全国高校サッカー選手権大会