同じく埼玉県さいたま市のNACK5スタジアム大宮会場も尚志(福島)と選手権過去3度制覇の東福岡(福岡)という好カード。すでにドイツ・ブンデスリーガ1部のみならずUEFAチャンピオンズリーグ出場も果たしている20歳のDFチェイス・アンリ(VfBシュトゥットガルト)を育てた仲村浩二監督が率いる尚志は、今季プレミアEASTで22試合28失点と粘るも21得点が響き、11位・プリンス東北に降格という苦い経験を、ドリブラーのMF7大内完介(3年)らを活かしつつ集大成の選手権で躍進に変えたいところ。「4-1-4-1」システムのアンカー役を張るMF6大谷圭史(3年)をはじめ攻守にバランスがよい東福岡との80分間は、一瞬たりとも目を離せない。

 東京都世田谷区の駒沢陸上競技場会場では、5大会ぶり2度目の出場となる愛工大名電(愛知)と初出場の明誠(島根)が選手権初勝利をかけ対戦。愛工大名電はキャプテンの双子の兄DF4蒲地陽汰(3年)、同じく弟のMF7蒲地壮太(3年)の「蒲地ツインズ」、明誠はPK戦で絶対の自信を持つGK17富森悠斗、島根県大会5試合5得点のFW10池田龍心の2年生コンビが攻守の軸となる。

 神奈川県川崎市のUvanceとどろきスタジアム by Fujitsu会場では選手権初勝利を期す東海大山形(山形)が第41回大会初戦・小田原(神奈川)戦での延長・抽選勝ち以来、なんと63大会ぶりの勝利を目指す松山北(愛媛)と対戦。3年生はMF10森隼人の1人だけという若いチームながら、愛媛県大会ではアイディアあふれる攻撃で次々と強豪を下してきた松山北が、GK1三澤幹大(3年)を中心に堅守を誇る東海大山形の守備を破れるかが焦点となるだろう。

【次のページ】 因縁対決や「高卒海外組」に注目! 1回戦第2試合見どころ(3)

▽第103回全国高校サッカー選手権
第103回全国高校サッカー選手権