そして迎えた後半7分、この試合初めて相手にCKを与えると、「トルメンタ」でニアにグラウンダーのボールを通され、シュートはポストが弾いてくれたが、折り返しを大森に押し込まれた。さらに同33分にはPKを献上し2点目を決められた。
追い込まれた青森山田は後半36分に途中出場のMF26麓萊凜(2年)がネットを揺らし1点差に詰め寄った。残された時間は4分+AT、同点ゴールを目指し相手ゴールに迫ったが、決定機を作ることはできず青森山田の選手権は初戦で幕を閉じた。
青森山田DF5小沼蒼珠(3年)
「(プレッシャーも)もちろんあった中でそれでも勝たなければいけない。実力で負けて悔しいです」
小沼主将はそう言って唇をかんだ。青森山田と高川学園のシュート数はどちらも4本。CKの回数も1回と同じだった。決して大きく上回られた訳ではなかったが、相手を飲み込むような青森山田らしい強さは見せられなかった。
「自分は一本中一本を決め切れないで、相手は決めてきた。本当に完敗でした」小沼は自身がシュートを決め切れなかったことを悔やんだが、それでもやはりチャンスが少なすぎた。CKの場面ではニアを完全にフリーにしてしまい、"ゴールを隠す"青森山田の守備ができなかった。これで今年の青森山田はインターハイ、プレミア、選手権と、全国レベルの大会では無冠に終わった。
▽第103回全国高校サッカー選手権
第103回全国高校サッカー選手権