永井雄一郎、田中順也、相馬勇紀、瀬古樹、中村敬斗……。独自色のある選手がそろう。

 個人の特長を最優先するだけに、システムへのこだわりはまるでない。その時在籍する選手の持ち味によって、いろんな配置を試みる。「3も4バックもやりますが、うちはJリーグのアカデミーと戦う機会が多いので、その時々の戦力にもよるが3バックが多いですね」と説明。

興味深いのが3バックの陣形だ。FWなのかMFなのか、明確なポジションがはっきりしない選手をひとり置き、自由にプレーさせている。「相手チームから『今日は3ですか4バックだったんですか?』って聞かれることがよくあります」と生方コーチは笑う。型にはまったシステムはないそうだ。

 選手とは適度な距離間を保つ。練習中は厳しく接するが、試合になると褒めっ放しで、ピッチを離れた瞬間からべったりした関係に変わる。

 Jリーグ浦和レッズやジェフユナイテッド千葉の監督を歴任した斉藤和夫さんは、三菱養和SCユースで監督を務め、その時のヘッドコーチが生方さんだ。「カズさんの影響がすごく大きい。怒ることがまずなかったし、選手がやりたいことも否定しなかったので、彼らは安心感を持って接していました。ただし、ちょっと踏み込めないような距離間だけは保っていた」とお手本にした大先輩を引き合いに出した。

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