卒業後はまず和光、続いて富士見市立富士見特別支援学校、県立所沢支援学校にそれぞれ1年ずつ非常勤講師として勤務した。埼玉県公立学校教員採用選考試験には4度目で受かり、2010年に保健体育科の正規教諭として所沢西に着任し、サッカー部監督を任された。「部員は毎年80人ほどで、力のある選手が多かった」と回想。就任4年目の第93回全国高校選手権予選では1回戦で春日部東を3-1で下し、2回戦では強豪の東京成徳大深谷に1-2で惜敗したが、「辛抱強く続けていけば上位に食い込むチャンスがくると感じました」と手応えをつかむ。

 和光在勤中は山下暁之監督(現花咲徳栄コーチ)の下で指導の基礎を吸収したほか、所沢西時代は飯能南・荻野賢喜、城西大川越・西澤武、所沢・高橋清史、川越・桑原一郎、西武台・守屋保、坂戸・仲野浩、武蔵越生・西澤浩一、西武文理・山口豊の各監督に懇意にしてもらった。

 大久保監督は16年4月に坂戸へ転勤したが、22年から今年3月まで山下監督に坂戸のテクニカルアドバイザーを依頼。技術力向上に貢献してもらった恩義ある指導者だ。

 10年から22年までさいたまサッカークラブのマネジャーをこなし、関東リーグのチーム理事も務めた。

 今年は坂戸に赴任して節目の10年目を迎えた。「まじめな生徒ばかりで何事にも手を抜かず、自主的に何でもやります。チームメートにも厳しいですね」とうれしそうに話す。

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▽第104回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第104回全国高校サッカー選手権埼玉予選