春日部イレブン(写真=会田健司)

 今年の春日部は関東大会予選の浦和学院戦(1-2)で先制ゴールを奪い、インターハイ予選では立教新座と終盤まで互角に渡り合うなど、格上の相手とも接戦を演じる力があった。そのチームの中心となっていたのは3年生たちだ。

 例年だと選手権まで引退せずに残るメンバーは2/3程だというが、今年の3年生は31人全員がこの選手権まで戦った。東大を目指している選手がいるなど、選手全員が勉強とサッカーの両立という難しい選択を選び、ここまで戦ってきた。

 「今の時代、部活動の在り方もすごく難しくなってきていますが、その中でも勉強とサッカー、両方をやっていくということに価値がある。この仲間たちと目標に向かってチャレンジしていく。そういう姿勢が本当に価値がある。そういうことをずっと言い続けてきたので、それに共感してくれてみんながこの選択をしてくれたのかなと思っています。夏休みも他の部活の子が引退している中で、朝練習して午後はしっかり勉強して、という形で上手く両立してくれたので、そこは本当に誇りに思います」

 スタッフ陣の熱意に選手たちが共鳴し高めてきたチーム力が生んだ熱戦。春日部イレブンがこの試合で見せてくれたプレーには、そんな彼らが積み上げてきた想いや努力が沢山詰まっていた。

 春日部はこの大会で得た自信や悔しさを胸に、ここから昇格を目指し最後のリーグ戦に挑む。

 (文・写真=会田健司)

▽第104回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第104回全国高校サッカー選手権埼玉予選