カルロス・ベルモンテにて

 スペインでは現地の公立学校に通ったことで、数カ月のうちにスペイン語で会話できるようになったという。チームでは最初、知っているスペイン語や英語の単語を連ねてコミュニケーションを取っていたが、ほどなくスペイン語のみに変わっていった。

 ジュニアユースでの1シーズン目は、1つ年上の選手が主体となる1部リーグに参戦。チームメートはジュニア時代、地域でほぼ負けなしだったが、年上の選手のフィジカルに屈し劣勢を強いられる試合が続いたそうだ。

 横山はFWを担当。「自分の強みは総合力だと思っています。ドリブル、ハードプレー、初速、狭いスペースの使い方には自信がありますが、一番は身体能力です」と話す。小学校の頃からキックボクシング、ブラジリアン柔術、総合格闘技などにも取り組んできた。

 歓迎されて入ったチームだが、途中から横山にボールが全く来なくなった。周りにパスを要求しても改善されなかった。ある選手が横山にパスを出さないようチームメートに指示を出していたからだ。横山はその選手に問いただすと、Yu(横山)にゴールを決めてもらいたいからパスを出すよと答える。しかし一向にパスはこない。

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