その停滞を打ち破ったのが、ハーフタイムでの修正だった。後半に入ると、静岡学園は見違えるような攻撃を展開する。ミドルシュートを積極的に狙い、立て続けに3点を奪取。試合の流れを完全に引き寄せた。「後半、3点立て続けに入ったときは試合を決定づけられたと思います」と吉田。しかし彼の表情に安堵はない。「前半、攻撃の部分も守備の部分も含めて足りないところが多いなっていうのが見えた」。勝利の喜びの中にも、冷徹なまでの自己分析が存在する。

 ディフェンダーとしての責任感も、吉田の言葉の端々から伝わってくる。「守備はまだまだ集中が途切れる場面だったり、ラインのずれがあったりする。中心として周りのコントロール、ラインコントロール、球際に行く強さ、弾き返す強さを自分が引っ張っていきたい」。

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▽第104回全国高校サッカー選手権静岡予選
第104回全国高校サッカー選手権静岡予選