そして吉田が何度も口にしたのが「強度」という言葉だった。静岡学園は今季も高校年代最高峰のリーグ・高円宮杯プレミアリーグに参戦し、全国の強豪と熾烈な戦いを繰り広げてきた。その経験が、この日の勝利に確実に結びついている。「プレミアの強度とは違うんですけど、自分たちがやる強度は変わらずにやらなきゃいけない。もっともっとその強度も上げられると思うし、そこは自分たちで要求し合っていきたい」。

　プレミアリーグで磨かれた戦術眼、フィジカル、そして精神面。それらが県大会という舞台で花開き始めている。だが、吉田の視線は既に次の試合へと向けられていた。「もっと自分たちらしくできるところがあると思うので、この約一週間の中でチームとしての完成度をもっともっと、みんなで要求し合って、いい形に持っていけたらと思います」。そして最後に「県大会は必ず勝って、全国でも優勝を目指していきたいと思います」と締めた。

(文・写真＝西山和広)