このプレーオフには、京都府1部リーグの上位2チームが出場する。京都橘Bは春先から勝利を重ねて首位を走っていたが、残り2試合で迎えた東山Bとの試合で0-5という大敗を喫した。相手は選手権予選の決勝戦に出場した選手が何人かいたとはいえ、敗戦という結果に加えて、得失点差でもマイナス5というダメージを負ってしまう。首位から陥落し、選手間の雰囲気も悪くなったという。翌週の最終節は残留争い中のチームが相手だったが、2-3と辛勝にとどまった。
優勝を争う福知山成美が全日程を消化したのに対して、京都橘Bは延期されていた洛北戦が残っていた。優勝の条件は7点差以上での勝利。その試合を週末に控えた平日の練習後に田中宏旺コーチから選手へ「勝つことだけを優先するのか、それとも7点取って勝つのか」という話があったという。6点差以下での勝利でも2位でプレーオフ進出は決まるが、選手たちは話し合って7得点を狙うことで一致団結。前半からアグレッシブに戦ってゴールを重ねて、試合終盤に6-0というスコアまで持ち込んだ。そして後半アディショナルタイム、エリア内で高木俊(2年)がPKを獲得すると、自らキッカーに名乗りを上げて7点目を決めてみせた。その結果、福知山成美と勝点で並び、得失点差で1点を上回って、京都府1部リーグで優勝している。「(7点目が決まった瞬間は)グラウンドもベンチも、すごい盛り上がりだった」(DF森脩人/3年)という劇的な1部リーグ制覇。この流れをプレーオフの舞台でも継続させて、昇格を実現させようとしている。
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▽高円宮杯 JFA U−18サッカーリーグ2025プリンスリーグ関西 プレーオフ(参入戦)
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