近大附イレブン
この歴史的なベスト4進出を、誰よりも特別な思いで見つめていた人物がいる。スタンドから見守っていた山田稔前監督だ。「若い世代になってスタッフもまとまっている。今年のチームもチームワークと粘り強いサッカーで、近附の本来の姿が見られて本当に嬉しい」と目を細める恩師は、ベンチでかつて慌てていた寺師監督が「落ち着いてきた」と、その確かな成長を頼もしそうに称えた。
そして次戦の準決勝は、これ以上ないドラマが用意されていた。対戦相手は、兵庫の強豪・滝川第二。近大附が13年前にインターハイに出場した際、3回戦で敗れた因縁の相手だ。当時チームを率いていた山田前監督も、そこから一度も全国の舞台を踏めず、悔しい思いをしてきた歴史がある。
「巡り合わせもある。全国大会で滝二にリベンジしたい。最高の景色を見に行くと選手たちと言っているので、掴み取るためにも良い準備をしたい」と寺師監督が力を込めれば、決勝弾の岡本も「滝二とは近畿対決。練習試合でも結構いい勝負をしてきたので、絶対に負けられない」と前を見据える。
30年ぶりに歴史の壁を突き破った近大附の“真夏の大冒険”は、いよいよ終盤戦。恩師の悔しさを晴らし、大阪の、そして近大附のプライドを証明するための戦いが、もうすぐやってくる。
(文・写真=会田健司)
令和8年度全国高校サッカーインターハイ(総体)