第92回全国高校サッカー選手権大会決勝は、富山第一(富山)と星稜(石川)の対戦。お互い初の決勝進出であり、史上初の北信越ダービーとなった。

 序盤から富山第一が攻め込みシュートを放つも、ここまで無失点で勝ち抜いて生きた星稜DF陣の堅い守りに阻まれ得点を決めることができない。
 逆に前半34分、星稜がPKを獲得。キャプテンのMF寺村介がこれを豪快に決めて1点を先制する。そのまま星稜1点リードで前半を折り返す。

 後半に入っても攻め続ける富山第一。波状攻撃を仕掛けるもなかなかゴールを割ることができない。そんな中、星稜は後半25分、FW仲谷将樹からの折り返しをFW森山泰希がヘディングで押し込み貴重な追加点をあげる。

 その後も攻める富山第一だが、GK近藤大河を中心とした守りを崩せない。このまま試合が終わるかという雰囲気がスタジアムに流れ始めたが、ピッチ上の選手たちは諦めてはいなかった。
 後半42分。富山第一は途中から出場のFW高浪奨が左足でゴールを決め1点を返す。この得点に勢いづいたか、なおも攻め続ける富山第一に、必死で防ぐ星稜。その攻防の中、93分、後半アディショナルタイムに富山第一がPKを獲得。これをキャプテン大塚翔が決め、土壇場で同点に追いつき、試合は10分ハーフの延長戦に突入することとなった。

 延長前半では決着が付かず、後半9分。富山第一はロングスローのこぼれ球に飛び込んだこちらも途中出場の村井和樹が左足で強烈なシュートを放ち勝ち越しゴールを決めた。
 交代がことごとく当たった富山第一がそのまま逃げ切り逆転勝利で激闘を制し、改修前の国立競技場最後の、そしてチーム初となる優勝を決めた。