藤枝明誠が中央の13番臼井勇輝から、左サイドの7番大島と繋ぐと、ニアで待ち構える25番村松寛大が7番大島からのクロスに突っ込みと、あと一歩でゴールとなる惜しいシーンを迎える。昌平も26番渡辺健太が目の覚めるようなライナー性のシュートを放てば、右サイドにいる18番大竹から放たれたクロス性のボールがファーポストに当たるなど決定的なシーンを迎えた。互いにプライドをかけ、相手のゴールを目指すも、いよいよ延長戦でも決着はつかなかった。PK戦にもつれ込んだ勝負は、昌平が4-1と勝利を収めた。

 優勝を果たした昌平の基盤は5番関根、7番古川を筆頭に、辛抱く何回でも丁寧にビルドアップをやり直すCBコンビにも見られた。高いアジリティと技術を兼ね備えた選手を多く起用した藤枝明誠も、その力を余す事なく発揮していた。また、ほぼ確実に相手の嫌がる所にボールをつける左利きCBの4番草ヶ谷も素晴らしい働きをしていた。

 

(文・写真 石津大輝)