松山工、50年ぶりの選手権初戦突破!PK戦の末、丸岡を下す

 13.3℃と春先を思わせるような気温と、抜けるような青空の下、駒沢陸上競技場でキックオフを迎えた2回戦第1試合。憧れの選手権初戦、システムも丸岡は脇本 駿(2年)のワンボランチ、松山工は吉村泰成(3年)・越智颯岳(3年)のダブルボランチという違いはあるものの共に「4-4-2」。加えて両校は毎年8月に丸岡で行われる「小阪杯」でも対戦を重ねているだけあって、試合は立ち上がり、ロングボールを蹴り合いながら相手の変化をうかがう展開が続く。

 その中で最初にペースを握ったのは丸岡。トップ下から左サイドに流れる芹川大稀(3年)に前線が連動。芹川のクロスやスタメンに抜擢されたFW宮川 竜之介(3年)の飛び出しで何度か決定機をつかみかけた。

 対する松山工はGK野口龍也(2年)の好守などでこの苦しい時間帯をしのぐと、18分には右SB兵頭俊昭(3年・主将)の蹴った右CKをCB筑波 柊(3年)が頭ですらし、こぼれ球をCB志摩奎人(1年)がゴール前をかすめるシュート。これをきっかけに展開は再び互角に戻り、前半は両校スコアレスで折り返す。

 後半キックオフから丸岡・小阪 康弘監督は宮川に換え、184cmの林健次(2年)を投入。前線にさらなるパワーを与えようとするが、前がかりに入ったスキを松山工は巧妙に突く。5分、中盤でボールを受けたFW野川 稀生(3年)がオーバーラップした兵頭に絶妙のスルーパス。ゴール前に進出し折り返したラストパスをFW徳永吉晟(3年)が押し込み、待望の先制点は松山工にもたらされた。

 その後もエース・野川倖稀(3年)を軸とし押し気味に時間を進める松山工。しかし丸岡も耐えながら「一瞬」を狙っていた。25分、右サイドからのアーリークロスに頭で合わせたのは芹川。クロスバーを2度叩いたボールの跳ね返りを芹川が再び詰め、同点に追いつくと試合は一転。残り10分あまりは、これまでの守り合いからお互いに決定機が生まれるスリリングさがピッチ上を支配した。しかしながら決勝点は生まれず試合は80分間を終了。PK戦は後攻の丸岡が3人目までに2人が外したのに対し、松山工は4人全員が成功。50年ぶりの選手権初戦突破をつかみとった。

 その一方で北信越プリンスリーグ参入戦での退場により、この試合ではベンチ入りが叶わなかったDF道木宏明(3年・主将)を選手権のピッチに立たせるべく好セーブを連発したGK和田来生(3年)をはじめ、丸岡の健闘も十分評価に値するもの。松山工はそんな丸岡の想いも汲み取りながら、1月3日(日)に駒澤大学高等学校(東京都B)との3回戦に挑む。

(文・編集部)