都立野津田は、10番前田が司令塔として中央に君臨し、9番北澤は前線で身体を活かしたポストプレー、11番大塚が機動性を活かしあらゆる局面で顔を出していた。5番川口は中盤の底で潰し屋としての役目とゲームをコントロールする役目を担い、守備は6番藤井がキャプテンとして精神的支柱となり、相手のエースを抑え、3番鈴木は阿吽の呼吸でカバーリングをする。

 対する都立田無は、10番宗像が運動量と技術を活かしボールに絡む、8番石丸はバイタルでボールを受ける事で10番宗像を助け、11番大塚はメリハリのあるドリブルで左サイドで仕掛けていた。キャプテン4番藤井はDFリーダーとしてチームを鼓舞し続ける。

 試合が動いたのは後半4分。都立野津田10番前田のドリブルでの中央突破から、更にDFを引きつけ左サイドに展開、そこからクロスが上がると、7番井川がゴール前でヘディング。これがゴールに吸い込まれ、1-0となる。先制点を許した都立田無も、後半13分には10番宗像がGK吉高と1対1の機会を迎えるも、絶妙なタイミングでのスライディングに阻まれてしまう。すると後半26分、都立野津田、途中交代で投入された18番磯干才音が、DFラインとGKの隙をつき、鮮やかなループ。駄目押しの2点目が入りこのまま試合が終了し、都立野津田が2-0で勝利し都大会へと駒を進めた。

 都立野津田は後半に、サイドバックを押し上げて攻撃に参加する事で、サイドの攻撃に厚みを加えていた。10番前田が中央でタメを作り、更にカウンターと遅攻を使い分け、脅威ある攻撃が繰り出されていた。支部予選を通過した都立野津田は戦いの舞台を都大会へと移す。

 

(文・写真 石津大輝)