2点のビハインドを背負って残り35分を迎えた明秀日立だが、萬場努監督が「選手が落ち着いていれば後半はやれると思っていた」と振り返るように焦りの色は見られない。後半始まってすぐにMF長谷川涼平を投入し、やり慣れた3バックに変更したことで攻撃の勢いが加速。「2点獲られても諦めない気持ちがあった。終了のホイッスルが鳴るまで走り切ろうとハーフタイムに話をした。後半はやるしかないという気持ちが上手く出せた」(高嶋)ことも相まって、羽黒のゴールに迫る回数が増加した。18分には右サイドからのボールを受けたFW津村夢人がシュート。相手に当たったこぼれ球をDF大山航が拾い、最後はFW作山雅紀が狙ったが、惜しくもDFに当たってCKに。その後も果敢にゴールを狙いながら、歓喜の瞬間は遠かったが、33分にはMF大山晟那が右サイドから入れたボールを津村が決めて、反撃の狼煙を上げる。アディショナルタイムにはMF川上璃久の縦パスを受けた津村が振り向きざまに左足を振り抜き、同点弾を決めると、直後に終了の笛が響き、PK戦へと突入した。