パワフルな戦いを志向しつつも、「最初は長いボールで攻めて、落ち着いたら相手の間を繋いでいこうと考えていた」(大塚監督)通り、時間の経過と共に本来のスタイルにシフトチェンジする。前半15分には左CKから多賀が決定的なヘディングシュートを放ったが、GK西滉太が好反応でストップ。こぼれ球をFW佐々木大翔が詰めたが、西が再び好セーブを見せて、高松商が凌いだ。 ここまではチャンスを作りながらも、DF渡辺春人や高橋玲弥の粘り強い守りに苦しむ場面が続いたが、ここからは大塚監督が「変則的なポジションをとったので、小森がいつもフリーでいるのは予測していた。そこを狙って長いボールや低いボールが入ればチャンスになるぞと話していた」と振り返るように10番を背負う小森が前線で躍動する。前半28分には右サイド高い位置から放り込んだ多賀のロングスローを頭で合わせて均衡を崩すと、後半5分にはMF倉田歩武の縦パスからゴール前を抜け出し、シュートを放った。この一撃は惜しくも西に阻まれたが、18分には途中出場のFW林拓真のパスをゴール前で受けるとドリブルでGKをかわして、2点目を決めた。