対する青森山田は、「3点目を獲ろうとした攻撃陣が守備に戻らず、コンセプトである全員守備ができていなかった」(黒田剛監督)ことが原因で、守備に綻びが生じ始める。「2-0で行ってくれればと思っていた」という指揮官が描いたゲームプランが崩れた後半は、苦戦がより顕著になる。昌平はそうした隙を逃がさず、後半17分には木下のパスを受けた渋谷が豪快なミドルシュートを突き刺すと、19分には左サイドを突破した須藤のパスから木下が左足シュートを決めて、逆転に成功した。終盤にはGK飯田雅浩をゴール前に上げて青森山田がセットプレーから猛攻を仕掛けたが、カウンターから森田が4点目をマークし、試合が終了。試合後、黒田監督が「うちは決定機を活かせなかったのに対し、向こうは少ないチャンスを物にした」と振り返ったように、チャンスをきっちり物にした昌平が印象に残るゲームとなった。

(文・写真 森田将義)