後半が開始すると、序盤から激しくプライドがぶつかり合う。後半5分、昌平18番大和が左サイドからドリブルでカットインし、シュートを放つ。しかし、これは枠の外。同15分、浦和南10番大坂が左サイドでボールを持つと、巻いた軌道のシュートを放ち、美しい放物線を描きながらゴール左上角に吸い込まれる。これで遂に2-2と浦和南が追いつく。拮抗する中、昌平は途中出場の大宮ジュニアユース出身の1年生、10番須藤直輝が仕掛け、また12番西村悠希がDFラインで駆け引きからチャンスを作るも、集中したGK正野に幾度となく阻まれる。しかし、同23分、昌平8番原田がゴール前の混戦からボールを得ると、鋭いシュートを放つ。これがゴール右上角に突き刺さり、昌平が勝ち越しに成功する。

 勢いが止まらない昌平は同30分にも9番渋谷がショートカウンターからシュートを振り抜く。強烈なシュートが、ゴールニアサイドに突き刺さり、4-2と突き放す。同41分、昌平10番須藤が左サイドでボールを持つと、鋭いエラシコから相手を抜き去りチャンスを作るもゴールにはならず。同42分、浦和南が左サイドから崩すと、21番庄司がニアサイドに合わせる。これは後一歩となるも、ゴールにはならず。最後まで1点を浦和南が返そうとするも、このまま試合終了。堅守速攻とボールを持つ時間帯と使い分け、埼玉代表として恥じぬ試合をした浦和南であったが、90分のトータルで危なげない試合展開でゲームを支配した昌平が4-2で王者に輝いた。決勝の大舞台で会場を沸かせた10番須藤が全国の舞台でも活躍するか期待がかかる。

(文・写真 石津大輝)