後半に入り、両チーム目立った変更はなし。その中で最初にペースを掴んだのは正則学園。46分、右サイド8番・松本直也がドリブルでペナルティエリア内へ深く切り込み、マイナスのラストパスを送ると、10番・行木勇人が飛び込むが東海大高輪台の体を張ったディフェンスに防がれる。さらにチャンスは右サイドから生まれる。48分、8番・松本直也が右サイドから中央へドリブルし、入れ替わるように右サイドでフリーになった行木へパス。行木が右足を振りぬくも、GKの好セーブの前に得点を奪うことは出来なかった。続く53分には右サイド松本のアーリークロスを中央で競り合い、こぼれ球を行木が押し込みゴールネットを揺らすがその前に正則学園にファールがあったという判定でゴールは認められなかった。

 前半とは打って変わって積極的に攻撃に転じた正則学園の攻撃に対し、東海大高輪台は守備に追われる時間が長くなるが、帝京戦同様に集中力を保った組織的なディフェンスでゴールを許さない。正則学園右MF8番・松本直也を抑えることに苦労していたが、その松本が交代すると、東海大高輪台は攻撃に人数をかけていけるようになる。東海大高輪台のビックチャンスは72分、9番・渡邊夢大の左サイドからのクロスを10番・野村浩輔が丁寧に落とし、最後は途中出場の20番・土屋諒太郎がフリーでシュートを放つがGKの好セーブにあった。

 文字通り一進一退の攻防をみせた前後半80分で決着は着かず、延長戦へと突入した。両チームDFの選手を中心に疲労が色濃く、厳しい戦いの中、東海大高輪台はMF7番・武市健太、正則学園はFW10番・行木勇人を起点にゴールを目指すも決定機を迎えられない。このまま延長も終了し、PK戦を迎えるだろうという雰囲気が観客席に漂う中、劇的ゴールが生まれた。
 延長後半5分、東海大高輪台が一瞬のカウンターから中央を駆け上がると右サイドへ展開。そこからのクロスを11番・畠中一樹がシュートを放ち、一度はGKがセーブするもゴール前混戦の中長い距離を走りオーバーラップしてきた4番・吉永怜央が蹴り込んで待望の先制点を奪った。

 厳しい時間に先制を許した正則学園もその後、必死に攻めるが東海大高輪台の体を張ったディフェンスを崩すことが出来ず試合はそのまま終了。延長戦でのゴールが決勝点となり、東海大高輪台が1対0で勝利を収め、6月7日から始まる二次トーナメントへと駒を進めた。