後半に入ると青森山田が立ち位置を修正し、プレスのかかりにくい人と人の間(ギャップ)にポジションをとった青森山田が前を向いてプレーする時間が増える。6番天笠泰輝を中心となり、タイミングよくサイドにパスを散らしてサイド攻撃を展開。ゴール前へボールを運ぶチャンスが増えはじめた63分。右サイドで11番バスケス・バイロンがドリブル突破で相手DF陣を切り裂き深い位置から中央へボールを送ると、先制点を挙げた10番檀崎竜礼がコースを狙ったシュートを放つ。ポストを叩いてゴールの内側へ吸い込まれたボールがネットを揺らし、スコアをひっくり返した。追いかける展開となった流通経済大柏は終了間際に5番関川郁万を前線に上げてパワープレーで攻めるが、逆に88分。6番天笠泰輝のワンタッチでのスルーパスに、オフサイドラインギリギリで飛び出した13番小松慧がGKとの1対1を冷静に沈めて追加点を奪い、準決勝に引き続き途中出場で期待に応えてチームを助ける追加点を奪取。最後まで諦めない流通経済大柏の怒涛の攻撃を抑え、3-1で試合終了のホイッスルが鳴り響く。

 第97回目となった、今大会は青森山田が2大会ぶり2度目の選手権制覇を成し遂げ、平成最後のチャンピオンチームとして名を刻んだ。一方、流通経済大柏は2大会連続で決勝へと進出するも惜しくも一歩届かず、次の世代に夢を託す結果となった。

(文・佐々木竜太 写真・甲斐雅人 )