相手ゴール前までボールを運びながらシュートを打ちきれず決して満足の行かない展開が続く中、試合を動かしたのは「普通の高校生じゃ止められない」と指揮官が評する村田だった。前半6分には左サイドから中央へと切り込んだ村田の一撃がゴール右隅に決まり、興國が均衡を崩した。

 「村田のゴールでスイッチが入った」(DF荒木遼太)興國は、ここからは攻撃のギアを入れる。15分にはGKからのビルドアップを狙った和歌山北の隙を逃がさず、「GKが出した瞬間に狙えそうだと思った」という村田が相手ゴール前でインターセプトに成功。そのままシュートを決めて、リードを2点差とした。45分には村田がゴール前に入れた左CKのこぼれ球をDF中島超男が押し込み、前半を終えた。

 興國が3点リードで迎えた後半はリスクを回避するため、無理して最終ラインから繋がず早めに前方にボールを展開。セカンドボールを効果的に拾い、自分たちのペースで試合を進めた。和歌山北も後半から入ったMF田村凌我や前線でボールをおさめたFW大石智生を中心に反撃の機会を伺ったが、後半7分には荒木のパスを受けた村田がダメ押しとなる4点目を決めた。

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