憧れの全国のピッチまであと1勝。平成26年度高校総体東京大会は21日、いよいよ準決勝を迎えた。駒沢第2球技場で行われた第1試合では、2年連続の全国を狙う成立学園と準々決勝で優勝候補國學院久我山を下すなど1回戦から怒涛の勝ち上がりを見せてきた国士舘が激突した。

 観客席と応援席のボルテージも最高潮に達した午前10時、成立学園ボールでキックオフ。最初にゴールに迫ったのは国士舘。4-4-2のフォーメーションで堅守速攻を基本にここまで戦ってきたチームを最前列から引っ張るFW10番木村大輝がミドルシュートを放つが大きくゴールを外す。真骨頂である前線からのハイプレスを仕掛け、攻撃力のある成立学園に起点を作らせない狙いで試合に入った国士舘の中でカギを握ったのはボランチを務めキャプテンマークを巻く6番。成立学園10番上田悠起を中心に繰り出される攻撃に対してどこまで中盤で対応できるか。

 対する成立学園も今まで通りの4-4-2の布陣で試合に臨む。ファーストシュートは注目の10番上田悠起が右45度の位置からのミドル。流動的な攻撃陣の中で早くも右サイドから中央へのポジションチェンジを積極的に行う上田が攻撃のタクトをふるう。また、上田が中央に入ることで空く右のスペースをFW11番町田ブライトがしっかりと埋めるなどチームとしての完成度の高さを窺わせた。

 14分には右SB2番と9番で崩しGKと1対1の場面を作り出す。このチャンスは決めることができないものの試合の主導権を握る展開となる。

 その成立学園の攻撃に国士舘も落ち着いた対応を見せる。DFから中盤にかけて相手に対し、速い寄せを継続しボールを奪う安定した守備から攻撃に繋げると迎えた21分にはビックチャンス。準々決勝久我山戦で決勝ゴールを奪った左MF8番小松研貴がクロスを送ると、中央7番がフリーでシュート。惜しくもバーの上へと外れるがサイドから良い形を作った。

 互いに持ち味を発揮する展開の中で前半の終盤から国士舘がやや流れを掴む。ボランチ6番をはじめ成立学園の攻撃の中心選手に仕事をさせない守備からロングボールによる速攻でペースを握る。迎えた前半終了間際にはロングボールで抜けたところから右サイド9番のクロスに中央で9番が競り、ファーサイド8番小松研貴が狙うが決めきれず。前半は結局0対0で終了、後半に勝負が懸った。

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