名経大高蔵、念願の全国初勝利 大成は13本シュートを放つも初戦敗退
令和元年度高校サッカーインターハイ(総体)の1回戦が行われ、大成(東京2)と名経大高蔵(愛知)が対戦。前後半の立ち上がりに奪ったゴールにより、名経大高蔵が2-1で勝利した。
2度目のインターハイ出場で念願の全国初勝利を手にした。立ち上がりから試合のペースは名経大高蔵だった。「プレスが来ても余裕で逆をとれた」と振り返る14番岩松虎徹と7番深津佑太のダブルボランチが名経大高蔵らしいテクニックの高さを活かしたプレーを見せながら、小気味良くボールを動かし、リズムを作る。随所で3番花木駿也と9番辻聖羽もスペースを巧みに突いて見せ場を作ると、前半15分には左CKの流れからPKを獲得。辻が冷静に決めて、試合を動かした。幸先の良いスタートを切ったものの、守備の意識が強まったせいでと受け身となってしまい「先制されてからは相手のペースに持っていかれた」(岩松)。32分にはロングフィードに反応した11番平川優大にシュートを打たれるなど、我慢の時間が続いたが、2番沢田一颯と15番小﨑俊貴のCBコンビを中心に守備の集中力を保ち、同点弾を与えない。
すると、後半15分には右CKを獲得。ニアに入れた低いクロスから小﨑がヘディング弾を決めて、大成を引き離した。前半同様にゴールを決めてからは守勢に回り、14分には右サイドを連携で崩され、ゴール前のパスを許した。この場面は平川が合わせられず、難を逃れたが、以降も推進力のある10番杉田健にドリブルを仕掛けられるなど我慢の時間が続いた。それでも、ギリギリの所で耐えていたが、35+6分には平川のパスから15番尾﨑元に決められ、2-1で試合を終えた。
名経大高蔵はらしさを見せながら、シュート3本で2点を奪う効率の良い試合運びを見せた。攻撃のタクトを振るった岩松は「上手くて強くて最強世代だった2年前の世代よりも上に行けるのは嬉しい」と笑顔を見せた。一方の大成は相手を上回る13本のシュートを打ちながらも、力は及ばず。初の全国大会は悔しい結果で終わったが、豊島裕介監督が「彼らは”あれ?負けちゃった感じだ”と思う。もっとできた、もっとやれた感覚を持っているはず。選手も僕も良い勉強になった」と話した通り、全国レベルだからこそ知りえた経験を冬に繋げるつもりだ。
(文・写真=森田将義)
令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)