後半も、前半同様ボール保持率で上回る日章学園が攻め込む時間が続くものの、バイタルエリアでテンポが上がらず崩しきれない。ピッチ上からも「ワンタッチ!」と声が聞こえるが西京もプレスの手を抜かず応戦。後半10分を過ぎると日章学園のサイド攻撃がハマりだし、徐々に中央にもスペースが生まれだす。スルーパスやセットプレーからシュートチャンスを作り出すも、あと一歩の所でゴールが奪えない。しかし後半19分、ついにスコアが動く。日章学園は左のコーナーキックを一度は弾かれるものの、こぼれ球に反応したFW10番鈴木陽介が 豪快に左上へ蹴り込み待望の先制ゴール。クーリングブレイク明けに3人のフレッシュな選手を投入して更に攻撃を活性化させる日章学園は、中央を崩しポスト直撃弾を放つなど畳み掛ける。 一方、スタンドからも「最後まで頑張れ!やり返せ!」とゲキが飛ぶ1点ビハインドの西京は、全員攻撃全員守備で最後まで諦めない。 試合はこのまま終了かと思われた後半ロスタイム4分、魂のゴールが生まれる。 西京は右サイドでボールを奪うとMF15番前田唯翔がグラウンダーのクロス、中央スライディングで飛び込んだDF4番原田廉が綺麗に押し込みゴール、土壇場で試合を振り出しに戻すとこのまま後半が終了し、PK戦に突入する。 PK戦は一人外した日章学園に対し、全員が決めた西京が勝利。次戦、2回戦で長崎日大(長崎)に1-0で勝利した今大会無失点の米子北(鳥取)と対戦する。
(文・写真=甲斐雅人)
令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)