終盤に入ると互いにゴールを目指したため、オープンな展開に。後半35分には清水桜が丘の古長谷が左サイドから仕掛け、強烈なシュートを放ったものの2年生GK北村公平の好セーブに阻まれてしまう。

 結局、試合は70分で決着が付かずにPK戦へ。7人目まで互いに成功する中で、8人目で桐光学園のGK北村が大仕事をやってのける。宇山翔太のキックを完璧に読み切ると、右に飛んでストップ。その裏に所新太郎が決めて、3回戦進出を決めた。

 試合後、安堵の表情を浮かべた北村。7人目まではタイミングや読みが合わず、苦戦を強いられていた。だが、慌てず、自らがやるべきことに集中。PK戦の途中には主審に駆け引きの際に前に出た動きを注意されたが、動じずに来たるチャンスに備えた。

 「PKは練習をしていたので、止められると思っていました。向こうも練習をしていたと思いますが、ギリギリのところを突き詰めてこそ全国大会のレベル。自分はそこで一歩踏みとどまれたので一つ成長できた」

 昨年は1年生ながらインターハイで正GKを務め、準優勝に大きく貢献。迎えた今季は同学年の桃井玲と切磋琢磨しながら、技術向上に努めてきた。まずは一つ結果を出したが、北村は満足していない。昨夏に届かなかった日本一を目指す桐光学園にとって、2年生のGKの活躍は何よりも心強いはずだ。

(文・写真=松尾祐希)

 
▽令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)