流れを変えられないまま、試合は後半へ。ここで仲村監督が動く。染野をハーフタイム直後にピッチへ送り込んだのだ。手負いのエースに勝負を託し、反撃を試みる。すると、徐々に尚志が流れをつかみ、染野のポストプレーからゴール前に侵入する機会が増加した。後半24分には染野のスルーパスに山内が反応。GKと激突しそうになりながらも、ほんの僅かばかり先に触れて同点弾をねじ込んだ。

 その後は再び相手に流れを渡し、ひやりとする場面を作られた。終了間際には濱家に強烈な一撃を見舞われ、連続でセットプレーのピンチも迎えたが、なんとか凌いで1−1のまま70分の戦いを終えた。そのPK戦ではGK鈴木康洋が1本目と2本目のキッカーを完璧にストップ。合計4−2で制し、8年ぶりとなるベスト8進出を決めた。

 終ってみれば、シュート数は6本。相手にはその倍以上となる14本を放たれるなど、まさに我慢を強いられる展開だった。
「個人技がすごくて、捕まえようがないなと。ゲームプランとしてはしっかりとブロックを引いて、カウンターを止めたいなと。でも相手があまりにも良いシュートを打たれて、プランが狂ってしまった」

 指揮官の言葉通り、苦しいゲームだったのは間違いない。ただ、勝ち切れた点に大きな意味がある。次は1日の休養日を挟んでの準々決勝・初芝橋本戦。4強入りを懸けた戦いでは自分たちの“らしさ”を取り戻すための休息を与えられた。明後日のゲームでは我慢ではなく、アグレッシブなスタイルで過去最高成績超えを果たせるか注目だ。 

(文・写真=松尾祐希)

 
▽令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)