スタンスとは真逆の展開で、尚志が8強入り

 ある意味、“らしい”戦い方ではなかった。“楽しむ”を身上に掲げる尚志のスタイルはボールを支配し、アグレッシブに仕掛ける攻撃なサッカー。だが、この3回戦は彼らのスタンスとは真逆の展開で、8強入りのチケットを手に入れた。「うちらしくない」。試合後に仲村浩二監督がそう苦笑いを浮かべるのも無理ないだろう。

 7月28日に行われたインターハイ3回戦、尚志は神村学園と対戦した。試合は序盤から相手のペース。個人技に長けた神村学園のアタッカーに守備陣が翻弄されると、前半7分には濱家悠哉に強烈なシュートを右足で決められて早々にビハインドを背負った。

 以降も流れは神村学園。パスワークで両サイドを崩され、再三に渡ってゴール前でひやりとするシーンを作られてしまう。攻撃陣も鹿島入団内定の染野唯月が怪我でベンチスタートになった影響もあり、前線で起点を作れない。左サイドハーフの主将・山内大空がなんとか局面を打開しようとしたものの、アン・デービットを中心とするDF陣の壁を打ち破れなかった。

【次のページ】 流れを変えられないまま、試合は後半へ。

▽令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)