ベースとなる4-4-2から、4-3-3でこの日の試合に挑んだ阪南大高は、10番窪田伊吹と15番田井光の両ウイングが果敢にサイドを仕掛けて、チャンスを作った。14分にはカウンターから田井が右サイド突破。中に入れたパスをゴール前でフリーとなった9番篠畑純也が合わせたが、シュートはゴールの上に逸れた。以降も阪南大高のターンが続いたことで、富山第一は「徐々に相手の攻撃力が目に焼き付いて、前に行けなくなった」(加納コーチ)。

 苦戦を強いられた富山第一はハーフタイムに守備時は5バック気味で対応することを再確認したが、12分には相手ロングボールへの対応を誤り、DFとGKが衝突。こぼれ球を拾った篠畑に無人のゴールを狙われたが、シュートはサイドネットとなった。終盤にも縦パスに反応した篠畑が胸トラップから素早くターンして、ゴールを狙ったが今度は左ポスト。運も味方につけた富山第一がかろうじて無失点を維持し、勝負の行方はPK戦に委ねられることになった。

 ここでは、5人のキッカー全員が決めた富山第一に対し、阪南大高は2人目のキッカーがゴールネットを揺らせなかった。この結果、富山第一が勝利した。4強入りはこれまで4回チャレンジしているが、いずれも失敗している。難敵を撃破し、次のミッションはインターハイ最高成績となるベスト4入りだ。 

(文・写真=森田将義)

 
▽令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)