後半開始と同時にMF中野文朔を投入し、反撃へ早くも動きを見せた都立富士を尻目に、次の1点は都立小石川中等に生まれた。37分、右サイドからFW戸坂健人、MF眞田智正と繋ぎ最後はFW安藤快。チームに貴重な追加点をもたらすシュートを決め、再びリードは2点に拡大。
3対1、都立小石川中等リードで時計の針は進み試合は終盤の攻防へ。最後まで諦めない姿勢を継続した都立富士がここから怒涛の猛攻を見せた。
これまで良い形を作り出しながらも都立小石川中等GK三木駿の好セーブもあり、なかなかゴールを奪えなかった都立富士。それでも67分、途中出場となったMF中野文朔のゴールで1点を返しここまで攻撃に漂っていた停滞感を打破すると72分、この日幾度となくチャンスに絡んだFW安彦穂高が値千金の同点ゴール。左サイドから中央を経由し右サイドに流れてパスを受けると、最後はGKもかわして無人のゴールへ流し込む。終了間際の同点劇で都立富士が試合を振り出しに戻した。
試合は3対3、PK戦へと突入。勝負の決め手はやはり終盤から続く勢いの差か。
5人全員がキックを成功させた都立富士に対し、都立小石川中等は1人が失敗。GK斎藤圭のビックセーブもあり、PK戦スコア5対4で軍配は都立富士に上がった。土壇場で勝利をもぎ取った都立富士は次戦、昭和第一学園と対戦する。
(取材・文=金子 侑史)
▽大会日程・結果2015年 第94回全国高校サッカー選手権東京一次予選