試合風景

 選手権東京都大会1次予選は14日、いよいよ開幕。都立小石川中等と都立富士が対峙した1回戦は、雨の予報とは裏腹に灼熱の暑さに見舞われた私学事業団グラウンドでキックオフ。最後まで目の離せないシーソーゲームが展開された。

 スターティングフォーメーションは共に4-3-3。
 都立富士は2分、相手のCKからカウンターを仕掛けるとFW安彦穂高が左サイドをドリブルで持ち上がり、FW新井悠平がフィニッシュ。シュートは枠を捕えきれないが切れ味抜群の速攻を披露する。

 一方の都立小石川中等は5分、右サイドを上がったMF眞田智正のシュータリングがファーポストを叩きこちらもチャンスを創出。直後のプレーではFW黒澤寅之介が右サイドの突破を図るなど、攻略の糸口を右サイドに見出した印象が覗えた。

 打ち合いの口火を切る先制点は13分、都立小石川中等。FW安藤快のラストパスが相手DFに当たりコースが変わると、そのこぼれ球にいち早く反応したのはFW黒澤寅之介。黒澤はこれを冷静にゴール左隅へと沈め、均衡を破ることに成功。運も味方した形で都立小石川中等が1点のリードを奪った。

 さらに続くスコア変動も都立小石川中等によってもたらされる。22分、決めたのはFW戸坂健人。ゴール前中央から右サイドへとドリブルで運ぶと、相手DFを振り切りファーサイドを狙い澄ます。このシュートが見事にネットを揺らし追加点を叩き出した。

 一方の都立富士も直後に今大会初ゴール。24分、序盤から落ち着いたボールコントロールを披露し、チャンスメークを繰り返してきたFW新井悠平がPA外からシュートを放つと、GKが弾いたこぼれ球に詰めたFW多嶋田拳が押し込む。1年生FWの嗅覚鋭いゴールで都立富士が1点を返し、試合はハーフタイムに突入した。

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