後半に入っても、拮抗した展開が続く。
　同点後やや優勢となった都立立川は40分にFKのこぼれ球をFW斎藤晶、44分にはカウンターを仕掛け最後はFW黒川尚暉がシュートを放つが共にGKの正面を突いて好機を逸する。

　対する都立武蔵野北も57分、右サイドから攻め込み、MF山口天真のクロスの跳ね返りをMF田端孝祐が狙うもミートせず。さらにその6分後には左サイドで作り、中央へ展開したところ、FW柴田俊貴が強引にミドルシュートを放つが決定打とはならなかった。

　互いに決め手を欠き、1対1のまま試合は前後半70分を終了。勝負は運命のPK戦へと委ねられた。

　迎えたPK戦、ヒーローとなったのは都立立川の守護神、GK榎戸舜。共に5人目までの全選手がキックを成功させ迎えた6人目の攻防。先行の都立立川が失敗し、チームは窮地に追い込まれたがこの局面を榎戸が救う。後攻、都立武蔵野北6人目のキックを横っ飛びでセーブすると、8人目、9人目を経て10人目のキックも抜群の反応でストップし勝負あり。振り返れば開始早々に献上した先制点は自身のクリアミスも一因となった榎戸。それでも最後は2本のビックセーブでチームを勝利に導き、MVP級の活躍を披露した。

　激闘を制した都立立川がブロック決勝進出。次戦、21日に行われる大森学園との大一番に登場する。

（文・写真　金子 侑史）

▽大会日程・結果
2015年　第94回全国高校サッカー選手権東京一次予選